期待値理論派の最終兵器――伊吹雅也待望のデビュー!
『高配当を逃がさない!!極楽!ヒモ穴馬券論』
●著者:伊吹雅也
●価格:\1,470(税込)
●出版社:東邦出版
●ISBN:4-8094-0384-X
●発売日:2004/07/20
●Amazon.co.jpで詳細を見る
●ジュンク堂書店 高配当を逃がさない!!極楽!ヒモ穴馬券論
●イーエスブックス - 本 - 高配当を逃がさない!!極楽!ヒモ穴馬券論
■本書の特長
●本命馬ではなく、ヒモ穴を探すことに特化した画期的データ集!
●簡単検索でヒモ抜けを阻止! "自信の本命"をムダにしない
●騎手、調教師、種牡馬間における"適性のリンク"が一目瞭然! レースの相関関係が見えてくる
■【SPECIAL!】内容サンプル 兼 ボーナストラック
●ダンスインザダーク(種牡馬:複勝率23.4%)
■本書について(「はじめに」より)
「競馬ファンは、馬券発売から100年近く経ったいまでも、未だに連勝式の仕組みを理解していない」
今年はちょうどJRA創立50周年。日本で初めて馬券が発売されたのは1906年だから、日本人はもう100年近く馬券と付き合っていることになる。にも関わらず、私が馬券を買っていると「もしかして現代の競馬ファンは、未だに連勝式の仕組みがわかってないんじゃないか」と思わずにいられない場面がちょくちょくあるのだ。先日行われた、第71回日本ダービーの結果を例にとってみよう。
【CASE STUDY】
04年5月30日 東京10R
日本ダービー(3歳上G1)
1着 (12)キングカメハメハ 1番人気
2着 (5)ハーツクライ 5番人気
3着 (17)ハイアーゲーム 3番人気
(中略)
6着 (4)ダイワメジャー 4番人気
8着 (9)コスモバルク 2番人気
馬連 5-12 2490円(8番人気)
馬単 12-5 3250円(11番人気)
3連複5-12-17 3460円(7番人気)
※馬連1番人気
9-12 5.0倍(コスモバルク=キングカメハメハ)
読者の皆さんも、レース発走前に戻ったつもりで一緒に考えてほしい。まず1番人気はキングカメハメハ。NHKマイルCを5馬身差で圧勝した直後で、体調面の不安を別にすれば、いかにも納得できる1番人気だ。差のない2番人気に推されたコスモバルクは、こちらも皐月賞で1番人気2着の実績馬。皐月賞は出し抜けを喰らうような形になったこともあり、「マトモならこの馬が1番強い」と信じるファンも多かった。単勝人気はその後3番人気ハイアーゲーム、4番人気ダイワメジャー、5番人気ハーツクライと続いたが、各々多少の異論こそあれ、「勝つ確率」の順番としては大部分の競馬ファンが納得できるものである
問題はここからだ。馬連1番人気は「コスモバルク=キングカメハメハ」の5-12で5.0倍。これは単勝オッズを見てもわかるように、「(大部分の競馬ファンが)勝つ確率が1番高いと思っている馬」と「(大部分の競馬ファンが)勝つ確率が2番目に高いと思っている馬」の組み合わせである。しかし、特別なレース分析を行っている専門家でなくても、ちょっとハナの利くファンなら「この組み合わせはオカシイぞ」と違和感を感じたハズ。たしかに両馬とも文句のつけようがない実績の持ち主だが、キングカメハメハはマイルのハイラップにも戸惑うことなく、圧倒的な末脚でNHKマイルCを制した馬。対するコスモバルクは皐月賞で先行力を武器にレースの流れに乗り、勝ちきれなかったとはいえしっかり2着を確保した馬。2頭がその能力評価の根拠となりうるパフォーマンスを発揮したレースは、実に対照的なレース展開だったのだ。そして直接対決となった日本ダービー。ご存知の通りキングカメハメハが快勝したものの、コスモバルクは8着に沈み、2着は皐月賞で大敗を喫したハーツクライ、3着にはキングカメハメハと同じく東京競馬場のトライアルレースを勝ち上がったハイアーゲームが入線した。
連勝式の馬券は、自分が「1番強いと思った馬」と「2番目に強いと思った馬」の組み合わせを買ってもまったく意味がない。仮に競馬が1頭1頭別々に走るタイムトライアルだとしたら、素直に「1番強いと思った馬」と「2番目に強いと思った馬」の組み合わせを買えばいいだろう。しかし実際の競馬は、出走馬が一斉に走って勝ち負けを決める「レース」なのだ。「レース」であるからこそ、各馬の走行ペースは他馬の動向に左右され、能力で劣る馬にも上位進出のチャンスが出てくる。「1番強いと思った馬」が来るレース展開が、「2番目に強いと思った馬」が来るレース展開と同じである保障はどこにもない。連勝式の馬券を取るには、「1番強いと思った馬」が実際に来るであろうレース展開をシミュレートし、その流れで上位に来そうな馬をヒモに選ぶ必要があるのだ。
先の日本ダービーの例で言えば、たとえ的中となった「ハーツクライ=キングカメハメハ」の馬連を持っていた人でも、別に「コスモバルク=キングカメハメハ」の馬連を買っていたとしたら相当にセンスがない。それはただ単に、強いと思った馬同士の組み合わせを買っただけで、非常に効率の悪い買い方なのだ。これならコスモバルクを中心に、キングカメハメハを切ってダイワメジャーやコスモサンビームといった「皐月賞上位馬」へ流していた人のほうがまだ筋がいい。結果的な当たりハズレは別にしても、キチンと「連勝式的な視点」でレースを捉えていたことに意義がある。こういう人は、たとえ目の前の日本ダービーがハズレたとしても、いずれ別のレースで取り返すことができるだろう。
「軸馬を選ぶ作業と、馬券のヒモを選ぶ作業はまったくの別物である」という主張から本書の企画はスタートした。軸馬については、各々の馬券哲学に基づいて「上位に来る可能性が1番高いと思われる馬」を素直に選び出せばいい。ただ、そこから連勝式の馬券を買うなら、軸馬を決める際の能力評価は一旦横に置いて、新たに「この軸馬が来るレース展開で上位に来る馬」という視点で出走各馬を再評価していく作業が必要となってくる。その際には、軸馬選びの段階で最終候補まで残っていた馬がヒモとしてはまったく買う価値のない存在に成り下がったり、逆に軸馬選びの段階ではまったく気にとめていなかった馬がヒモとして狙うぶんには非常に魅力的な存在になったりすることもあるだろう。単純に来る可能性の高い順に◎○▲△……と印を打って、◎から○以下に流すような買い方をしていては、いつまでたっても連勝式の馬券で儲けることはできない。
ハッキリ言って、日本ダービーで「コスモバルク=キングカメハメハ」の組み合わせが馬連1番人気になってしまうような状況は、馬券の歴史に対するこれ以上ない冒涜である。現代の競馬ファンは、連勝式という素晴らしいゲームを発明した先人に対し、どう申し開きをするつもりなのか。いまからでも遅くはない。私と一緒に「連勝式」への認識を改め、高度な知的ゲームとしての連勝式をより深いところまで楽しもうではないか。もちろん馬券の収支という面でも、連勝式への理解を深めていく段階で確実に成果が表れてくるハズである。
■著者プロフィール
伊吹雅也(IBUKI Masaya)
埼玉県桶川市生まれ。フリーライターとして活動する傍ら、(有)須田鷹雄商店スタッフとして競馬ライター須田鷹雄氏に師事。期待値理論をベースに「馬券」を読み解くための様々な方法論を開発しており、実戦で効果を挙げたもののなかから、まずは今回『ヒモ穴馬券理論』を完成させるに至った。競馬に関する各種メディアへの寄稿や出演経験はなく、本書が完全なデビュー作となる。